「フリースクールってどんなところ?」~違いが出てくる項目をまとめてみました~

多くの場合、「学校に行かない」「学校に行きたくない」等、自分自身や子ども、周囲の関係ある人の事象が身近にあって初めてフリースクールを調べたり探し始めたりします。

理由はさまざま。

対人関係やカリキュラム、心的状況、進路変更など理由はどうあれ、フリースクールの基本的な知識や種類、費用やメリットについてまとめていきます。

フリースクールと適応指導教室の違い

結論から言うと、フリースクール個人や民間企業、NPO法人によって運営され学習活動、教育相談、体験活動などの活動を行っている教育施設を指します。

後述しますが中身(教育目的)は運営母体によってさまざまです。

対して、適応指導教室(教育支援センター)は、市町村の教育委員会が運営する公的な教育支援施設を指し、学校復帰を主目的に学習等の援助を行なっています。

ですので、フリースクールは運営する母体によって中身が全く異なります。

フリースクールの分類

先に述べた通り、フリースクールはその運営者によって実態が全く異なります。

平成27年の文部科学省の調査では、全国で474の団体・施設が確認されていますが、現在は増加傾向にあるともいわれます。

その他の調査結果では、いわゆる「不登校児童生徒の定義」に当てはまる人数が出ています。

小学校27,583人

中学校98,408人

高等学校49,563人。

子どもの数は年々減少傾向ですが、その割合は上がっているのが現状です。

そのような中で、学校外の機関でも、「多様で適切な学習活動の重要性」「休養の必要性」が教育機会確保法(平成28年12月)で改めて強調されました。

平成26年の調査では、学校内外でも相談・支援が受けられていない子どもが27.5%、フリースクール等の学校外機関に通っていても指導要録上の出席と認められたのは41.4%(平成31年)になっています。

つまり、フリースクール等の学校外施設に通うことを検討するときには、その中身について事前にしっかり確認しておくことが重要です。

ぜひ入学の前に確認してほしい項目をあげてみます。

違いが出てくる項目

(1)学校との連携方法

フリースクールに通うことによって、在籍している学校の校長権限によって指導要録上の出席扱いをすることができます。

その出席状況や学習状況、指導支援状況などをどのような形や方法、頻度で在籍校と連携しているかを確認してみましょう。

(2)カリキュラム(教育目的)

教育目的も様々です。例えば学習に力を入れて学び直しや自分の得意な分野を発展的に学習できるカリキュラムや、居場所としての空間をつくり遊びを中心にして居心地のよい環境を提供することを第一にしているスクール、自然体験や社会科見学等の体験的な活動を中心にするスクールなどなど。

基本的には、学習・相談・体験の割合や強度がバラバラです。

何を目的に、何を求めてフリースクールに行くのか、自分(子どもまたは親)の判断基準を持っているとよいでしょう。

(3)人数

スクールのキャパシティーも様々です。多くの場合、フリースクールは年間を通して随時入学者がいるので、その時々によって変動があります。

数名、十数名、数十名と増えていくごとに多様な人間関係を育むことができます。

フリースクールを検討する方の多くは「大人数は苦手、少人数の方がいい、でも気の合う人は多ければ多いほどいい」と考える傾向があります。

どちらにせよ、小中学生だけで100人規模のスクールは稀ですので、同級生が10名いれば多い方と考えた方がよいでしょう。

性質的にアットホームなスクールがほとんどですので、下級生や上級生などの縦のつながりも作りやすいのはメリットです。

(4)利用者の傾向

 どのような児童生徒が通っているのか、もちろんこれもフリースクールによって様々です。

在籍する学校の人間関係、学習状況の躓きから補助的に通学していたり、身体的な課題や生活習慣の問題から自分に合う環境を求めて通学している場合、発達的な課題や心の状態からソーシャルスキルを学びながら社会性や自律する力を獲得するために通学する等、自分に合った学習・生活環境を求め、そのフリースクールが現状通う学校と比較して自分にメリットがあると判断した場合に通学を決めています。

 世の中が多様化し、学習形態・学習方法も多様化しています。学区で決められた学校に通うのではなく、自分に合った学習環境を自ら選ぶ時代になってきています。その点、2次的な選択でフリースクールを検討するのではなく、自ら選んだ学校としてフリースクールを第一の学校として通う児童生徒も増加している傾向があります。

(5)学費

 2015年の文科省の発表では、毎月の授業料の平均は3万3千円となっています。

 その他、入学金、教材費、施設費、保険料、イベントでの徴収などが年間にかかる学費となります。

また、フリースクールを考え選ぶ場合に居住地域によっては、選択肢がほとんどないケースも多く、近隣で徒歩、自転車等の通学手段がない場合は、バス・鉄道などの交通費の負担も重なります。

毎日または週の多くの通級・通学となれば定期券の発行の方が安価になります。フリースクールに通うことは、現状「学校復帰のための実習の場に通う」と判断され、在籍する学校と鉄道各社で連携をしてもらえれば学生割引の定期(実習用定期)を購入することもできます。

(6)相談体制

 フリースクールの教職員は、民間ですので教員免許をもっていないといけない決まりはありません。もちろん、教員免許の他にも公認(認証)心理士や教育相談員、スクールカウンセラー等、資格を持っている方が常駐ないしは定期的におり、児童生徒または保護者の相談や学習指導を受けられるフリースクールもあります。

 資格を持っていれば安心できる部分もありますが、使命感や熱意溢れる教職員と出会えることが一番重要なことです。

 ルールや時間的な制限から、いつでも親身になって相談ができる体制があるかどうか、これもフリースクールごとに差があります。

(7)その他

 まずは、他の教育機関に通い、社会とのつながりを得ていく一つの選択肢として役立てることが大切です。しかし、フリースクールに通うのは子供自身です。上記に挙げた比較事項も大切ですが、子供が見学や体験をした際に「ここならやっていけそう」「楽しそう」「挑戦したい」と思うかどうかが最も重要です。「印象」「雰囲気」というあいまいな言葉ではありますが、持続可能な通学を考える上で、前向きにとらえられるかどうかは大切です。

フリースクールに通うメリット・デメリット

上記の通り、フリースクールに通うことのメリットは、以下のようにまとめることができると思います。

【メリット】

①学校(集団)生活をリスタートする場になる

②在籍している学校で出席扱いにすることができる

③自分にあった学習環境を選べ、自分のペースで自分の力を育むことができる

④自分と似た境遇、似た考え、つらかったことや嬉しいことを共有できる仲間や大人に出会えるかもしれない

【デメリット】

①家族や親族に理解を得られない場合がある(学費やフリースクールの考え方)

②出席扱いにはなるが、成績の扱いにはならないことが多い

③近隣に自分に合うフリースクールが見つからない場合がある(通学時間が長くなる)

最後に

冒頭に述べた通り、10数年前と比べて存在はしられてきているフリースクールですが、まだまだ「誰もが考える選択肢」「誰もが知っている学校の種別」ではないため、「何かあったときに考える学校」がフリースクールだと思います。

これを読んでいただいた方々の少しでも有益な情報になれば幸いです。

あなたの見つけたフリースクールが、あなたの居場所になりますように。

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「フリースクールってどんなところ?」~違いが出てくる項目をまとめてみました~” に対して2件のコメントがあります。

  1. ゆき より:

    読ませて貰ったんですけど、確かにフリースクールト普通の学校の違いが分からなかったので。このブログで読ませて頂き、より理解ができたので。勉強になりました!!

    1. ラフベアー より:

      フリースクールの認知とサービスが広がっています。自分に合った学びの機会を持って健やかに自立に向かえるよう応援しています!

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